この記事では、Clusterの自作アイテムに任意の着色するために、Unityのマテリアル値を設定方法を記載した。さらに光沢をつけるためのMetallic値とSmoothness値の設定方法を記載した。
これまでのアイテム着色の失敗概要
これまで自作アイテムの色については、BlenderでエクスポートしたFBXファイルを、Unityに取り込んだ後に、MagicaVoxelでエクスポートしたPNGファイルを、追加でUnityに取り込むことで着色していた。しかしこの方法では、アイテムに光沢を付けることができない(MagicaVoxelでは光沢色つけられないため)。BlenderにOBJファイルを取り込んだ際に、Blender内でマテリアル操作を行い表面に光沢を付けることもできるが、光沢を付けたオブジェクトをBlenderからマテリアルをエクスポートしてUnityにインポートする方法はなさそうだった。
今回はUnityの中でマテリアルを操作してアイテムに光沢を付けてみる。
準備
Unity Hubのアイコンをクリックして起動。
Projectsウィンドウで“ClusterCreatorKitTemplate-master”クリック。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-2-800x281.png)
最低限のコンポーネント(床・出現位置・最低高度)と、トロフィーオブジェクト(trophy10)を“子”にした空の“親”オブジェクト(GameObject(2))が表示された。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063-2-800x334.png)
アイテムに持てる機能を設定する(詳細は前回記事参照)
マテリアル作業に入る前に、アイテムに“持つ”機能をつけて、立った状態でGameビューに表示させる準備を行う。
Hierarhcyビューで“GameObject(2)”を選択。
Inspectorビューで[Add Component]ボタンをクリック。
検索バーから、“Grabbable Item”をInspectorに追加する。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/c8856789ec11ab8b1013037cef6929f9-2-800x542.png)
持てるアイテムにするためには子オブジェクトにはColliderを付ける必要がある。
Hierarhcyビューで子オブジェクト(trophy10)選択。
Inspectorビューで[Add Component]ボタンをクリック。
検索バーから、“Box Collider”を追加する。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/3a4f695a458cb0ac0aceaa2eb13ac2dd-2-800x417.png)
再度Hierarhcyビューで“GameObject(2)”を選択しInspectorビューのPositionでZ位置を“1”に変更(Gameビューで立った状態で表示させるため)して完成。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/f96d9b4281f6d16b3c7589aed5a17be5-2-800x327.png)
アイテムの確認
再生ボタン([▶])をクリックしてGameビュー起動。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/94ed160662be198949535a112047e9b4-2-500x293.png)
持てるのか?光沢はあるのか?
アイテムが表示されるので、ポインターを合わせてクリックして持ちあげる。
マウス移動で、上方(空側)や下方(床側)に視点を変更してみる。
アイテム表面は、光の当たり方によって明暗となるが、黄色に光沢はない。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/f4a1b0aed5dc02442c433030ff24c031-2-800x420.png)
ここからマテリアルを新規作成し、アイテムに設置する。
新規マテリアル作成
マテリアルオブジェクト作成
はじめに設置するマテリアルのオブジェクトを作成する。
上部メニューの「Assets」→「Create」クリック。
表示メニューから「Material」をクリック。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/8aa09ea6d7822fbb10331635d428d488-2-800x321.png)
ProjectビューのAssetsフォルダ内に“New Material”というオブジェクトが作成された。
クリックするとInspectorビューに詳細が表示された。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/f36fc0458607842cbf0775516687491b-2-800x486.png)
マテリアルの色を設定・光沢を調整
マテリアルオブジェクトのInspectorビューを操作する。
今回はInspectorビュー項目の、Main Maps(図の赤枠)のAlbedo、Metallic、Smoothness(図の青枠)の値を変更して、下部にあるプレビューで外観(色)を確認する。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/e99cc3808964d9e08ec8fb27d43842de-2-800x544.png)
Albedoの色欄(デフォルトは白)をクリックするとColorウィンドウが表示される。
サークル状のカラーマップ部をクリックすると、サークル内にある四角色マップのベース色が変更される(今回は赤→青)。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/b1db37a1df6c6332fc8bdf704e9d1e49-2-800x434.png)
四角色マップ内で色をクリックすると、ポイント部の色(赤枠)が指定される。
色を指定すると、Inspectorビューのプレビュー色、Assetsフォルダ内のマテリアルオブジェクトの表示色ともに変更された(青枠)。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/1249f2682be7181f6a6266c99ee5cae6-2-800x366.png)
次はMetallicとSmoothnessの値を変更してプレビューで外観の変化を確認する。
Metallicを0から1に変更するとプレビューの光沢が少し増した。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/ad328257df3c27d0237be29c2f1fd87c-2-800x357.png)
Smoothnessを1にすると、プレビューで外観がツルツルピカピカになった。
MetallicとSmoothnessともに0.7とすると丁度よい感じの光沢となった。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/90b0dfa136419ccc91fda6fec27764ca-2-800x374.png)
マテリアルをアイテムに設定する
マテリアルを設定
Assetsフォルダ内にある、色の変化したマテリアルオブジェクトを、Sceneビューのオブジェクトにドラッグ&ドロップ。
これだけ。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/571a82aa9fa95e9dd03f724dc3a94890-1-800x378.png)
Sceneビューのオブジェクトの色が変わった。
アイテムの光沢を確認
Gameビュー再生
再生ボタン([▶])クリックしてGameビュー起動。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/1229c317e01c766a53c2709efe066b18-1-800x209.png)
アイテムが表示されるので、クリックして持ちあげる。
上方では影となってよく分からないが、下方(床側)とすると、光源がうつり光沢があるのがわかる。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/085f435ecdb57e7076774ccbc381f72e-1-800x418.png)
光沢の調整
InspectorビューでMetallicとSmoothnessの値を変えてみる。
Metallic値を下げるとプラスチック的となる?
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/88ed93005e0cb97394dcb2f41037a9e6-1-800x489.png)
Clusterにアップロードして確認
このマテリアル状態でClusterにアップロードできるのか検証する。
Gripを設定(詳細は前回記事参照)
アップロードする前にGrip位置を設定する。
上部メニューの「GameObject」→「Create Empty」クリック。
Hierarhcyビューに“GameObject(3)”が追加されるので
GameObject(2)の上にドラッグ&ドロップして“子”とする。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/485aac62cea3d548d1555ce3bfa037e6-1-800x455.png)
さらにGameObject(3)のPostionをX:0, Y:0, Z:0に変更する(アイテムの底中心を持ち位置とする)。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/aeb80bad1055d60bd4b8dc8204f77f1c-1-500x246.png)
Hierarhcyビューの“GameObject(3)”を、GameObject(2)のInspectorビューのGrip項目にドラッグ&ドロップする(持ち位置として指定する)。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/51e8fc29fa61692e70bc4c925b602ad0-1-800x507.png)
GameObject(2)の状態を確認。
Hierarhcyビューでは、GameObject(2)の“子”に“trophy10”と持ち位置の“GameObject(3)”が設定されている。
Inspectorビューで“Item(Script)”の“Item Name”とSizeを入力して、Grabbable ItemのGripは“GameObject(3)”に指定されている。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/4b820548ffdca22d08fbb3ba51ee22f3-1-800x442.png)
オブジェクトPrefab化
次のアップロード準備として、オブジェクトをPrefabs化する。
Hierarhcyビューの“GameObject(2)”をProjectビューのAssetsフォルダ内にドラッグ&ドロップする。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/92d57db0790a5fa5b8a0cc20858a9366-1-800x305.png)
Assetsフォルダ内にPrefabs化オブジェクトが作成された。
Inspectorビューでオブジェクト名は“GameObject(2)(Prefab Asset)”。
これでアップロード準備OK。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/c2dda1d20b57ad8d0298a15686591503-1-800x377.png)
アップロード
上部メニューの「Cluster」→「クラフトアイテムアップロード」クリック。
クラフトアイテムアップロードウィンドウが表示されるので、作成したPrefabs化オブジェクトをアップロードウィンドウ内にドラッグ&ドロップ。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/2daf4508ecfda0c22097a042b7d1c1b4-800x320.png)
正常なアイテムと表示されたのを確認して、ウィンドウ下の[アップロード]ボタンをクリックしてClusterにアップロードする。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/2f18037bd1f8ce03c181f385b76816e3-800x375.png)
Clusterページが表示されて、マイコンテンツページのリストにアップロードした青色トロフィーが追加された。
Unityのマテリアルがちゃんと設定された状態でアップロードできている。
成功。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/43814141cb3a5bcf3e479e89303d3de2-800x361.png)
マテリアルの変更方法
ところで、元の色に戻すにはどうすればよいのか?
Assetsフォルダ内にある元の色がついたオブジェクト“trophy10”をクリックする。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/619338d8eae13903374c3d959b4532ea-800x338.png)
オブジェクトの内容(色情報“palette”とメッシュ情報“trophy01”)が展開される。
この色情報オブジェクトをSceneビューのオブジェクト(青色)にドラッグ&ドロップすると、元の黄色に戻った。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/5524848c92466b4f89ec7329440bb253-800x235.png)
元の色にもどったオブジェクトのInspector情報を見ると、Materialが“Palette”となっていた。
色(マテリアル)情報は、ここの項目で設定するということか。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/9113139b16a8da3452f5f9b7797fcd83-500x400.png)
終了操作。
保存
上部メニュー「File」→「Exit」クリック。
保存警告ウィンドウで[Save]クリックして、Unity Hubウィンドウとして終了。
![](https://nahbun50.com/wp-content/uploads/2023/01/9115b90819a46b4f54acddb9107f30bf-800x407.png)
今回はUnityでオブジェクトのマテリアルを設定して、アップロードできることが確認できた。